会長挨拶

2014年9月27日

 日本消費経済学会の活性化に向けて

 日本消費経済学会 会長 井上崇通

  本学会は1976年に設立され、2015年には創設40周年を迎えることとなります。これを機にさらなる躍進を遂げるべく多くの改革を推進していく必要があります。本学会の目的は、経済社会の健全な発展のために消費者の立場から経済活動を分析し、そこに発生する諸問題を解明・解決することにあります。本学会の特徴として、かかる消費経済の問題を多角的に分析すべく学問横断的な研究分野の研究者の集うところにあります。

しかし、現状を鑑みますと、このような特徴が十分に活かされておりません。確かに、各部会レベルでは積極的な活動が行われていますが、それが学会全体の活性化と連動していないのも事実です。全国レベルでは、機関誌の発行と全国大会に限られており、会員となられている先生方に取り、魅力ある研究環境を十分なかたちで提供しているとは必ずしもいえない情況にあると思われます。

 さらに、今日、多くの学会が情報化あるいは国際化の波の中で、それらに果敢に取り組み、成果を上げつつあります。そのような中で、本学会においても、積極的に社会の変化に適応し、時代の要請に応えるべくさらなる努力を積み重ねていく必要があります。

 つきましては、これらの問題意識のもと検討すべき課題にとして以下の諸項目を提起させていただきいと思います。今後数年を掛けてこれらの課題に積極的に取り組み、本学会の基盤をより強固にしていく必要があります。

 【検討課題】

(1)将来ビジョン検討委員会」の設置(担当:新設委員会)

  • 会長からの委嘱組織として、機動性ある組織編成を心がける。
  • 会長、副会長、および会長より指名された若干名を構成メンバーとする。
  • 会員増と既存会員満足度向上への努力。
  • 各部会長を通じて会員の「今後の学会に対する期待および意見」を収集する。
  • それをまとめて本委員会の検討資料とする。
  • ここで収集された情報は、部会長および会員に公開し、さらなる改善案を引き出せるようにする。
  • さらに、検討内容に従って、各委員会に検討・対策を諮問する。

 「将来ビジョン検討委員会」の課題

  1. 会員の研究支援の充実・活性化(部会内研究プロジェクト、部会間交流など)
  2. 研究プロジェクトの見直し
  3. 他学会との研究連携
  4. 海外学会との連携
  5. 海外研究者の勧誘あるいは海外研究機関との連携
  6. 官庁へのアプローチによる委託研究
  7. 各種委員会の活性化

 その他、多くの魅力あるテーマが創発される可能性があるが、これらを以下のような短期・中期・長期計画に振り分ける。ここでは、短期計画(年度内)、中期計画(2-4年)、長期計画(5年以上)という枠組みで検討を加えていく。

 (2)「学会創設40周年記念プロジェクト委員会」の設置(担当:新設委員会)

  • 若手研究者と学会貢献者のバランスを考えた構成とする。
  • 期間限定の組織である。
  • 各部会の部会長を構成メンバーとする。

 「40周年記念プロジェクト委員会」の課題

  1. 本学会の40年の歴史(過去)と現状、そして将来に向けての学会の位置づけ
  2. 「消費経済学」の学問的枠組みと社会的役割
  3. 本学会の社会的認知を高めると共に学会の質の向上に資するものとする。
  4. 若手研究者の研究業績の支援の場とする
  5. 記念出版・講演の企画などの推進
  6. 結果として、本学会の活性化のきっかけとする。
  7. 上記「将来ビジョン検討委員会」に指摘した諸事業案をこのプロジェクトの内容とするという企画も可能

 これらの提案を企画・実行には、複数年を要すると思われるので、40周年を契機としてここ数年のアクションプランを構築していく必要がある。

 実行可能性を考えて、単年度予算での執行が難しい場合は、積立金方式で対応する必要がある。

 本学会の将来(10年後)を見据えたビジョンを打ち立て、それに向け、学会員が一つになり努力できる体制作りをすることである。

 (3)「研究推進委員会」の設置(担当:新設委員会)

 従来、本学会には、学会であれば本来最も重要な位置を占める「研究活動」を検討する委員会が欠落している。

 そこで、学会の学問的基盤をより強固にするための委員会を新設する。

 各委員会の委員長を構成メンバーとする。

 「研究推進委員会」の課題 

  1. 若手研究者の研究業績の支援
  2. 出版企画・講演企画などの推進
  3. 部会の研究交流活動の窓口
  4. 他学会との研究連携の窓口
  5. 全国大会の統一テーマ検討の調整部門

 

(4)学会機関誌(「年報」)の電子データ化の推進(担当:編集委員会)

  近年、多数の学会が、学会機関誌を電子データ化(PDF資料)およびインターネット利用の情報発信を実現している。その際、以下のシステムを利用するとかなりの費用削減を計りながら実現できる。

 学会機関誌(「年報」)の電子データ化への課題 

  1. 独立行政法人 科学技術振興機構のJ-Stageの活用
  2. これまでの機関誌の電子化(アーカイブ化)
  3. 今後の機関誌の電子化
     (当面は紙面媒体と電子媒体の併存)

 上記①~③に関しては、インターネットやホームページ管理、さらには会員の情報管理という性格が強いので、「情報化推進委員会」という新たな組織を立ち上げても良いと思われる。

 (5) 学会会員の一元管理(担当:会員入会資格・会則検討委員会)

  • 迅速・正確な情報管理(正確な会員動向の把握・・・会員の入退会および移動)
  • ネット利用の推進・・・会員自身による自己情報の管理

 • 各種委員会の増設が必要となるので、従来必ずしも十分な機能を果たしていなかった「理事」(定員30名)のメンバーを、具体的な事業遂行母体としての役割を担って頂く方向で検討を加えていく。

• 上記の各種変更に伴い、必要であれば、「学会会則」についても検討を加える。

 以上の試案は、当面の課題および実行課題を指摘させていただいたものです。荒削りなところもあり、精緻化してより実現可能性のあるアクションプランに練り込んでいく必要があります。会員の皆様の積極的なご提案、ご意見をいただきたいと思います。 

以 上